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システムソフトウェアとポエムの差が激しいので,高山病に注意

卒業研究で事故る可能性を減せるかもしれない10のTips

この記事は,FUN Advent Calendar 2020 20日目の記事です.

adventar.org

今日書く内容は,私自身が研究で普段心がけている内容です. また,個人の主観かつ生存バイアスが強くかかっているのでご注意ください. 内容のとおりにやっても事故るときは事故るし,やってなくてもなにもないときはなにもない.

1.寝る

良質な知的労働生産や進捗は,十分な睡眠から. 徹夜して書いた論文や実装したプログラムは大抵酷い(自身の経験であり主観)なので無理しすぎない範囲でやるのが良さそうです. そして質の低い論文やプログラムの尻ぬぐいをするのは数日後の自分です.

自分自身が最大のパフォーマンスを発揮できる十分な睡眠を心がけ,自分の尻ぬぐいをする頻度を極力減らしましょう.

2.生活リズムを一定にする

生活リズムが不規則になると,リズムを矯正するための謎睡眠や,ミーティングや授業に無理やり合わせるために眠気に耐える虚無時間が発生しがちです. 自分のスタイルに合い,かつ研究室のミーティングや授業に無理なく参加できるリズムを作るのがベストだと思います. 最低限,睡眠時間と起床時間のゾーンは一定にしましょう.

参考程度に,自分の生活リズム例を載せておきます.

5-6時:起床,シャワー

6-8時:朝食,技術系の記事を巡回したり

8-12時:午前の稼働時間(研究,課題,事務作業など)

12-13時:昼食&研究室デイリーミーティング

13-19時:午後の稼働時間(研究,ミーティング,授業など)

19-20時:夕食

20-21時:風呂

21-22時:布団に入る

3.一夜漬けスタイルで定例ゼミの直前・前日に進捗を産もうとしない(最重要)

研究をしていると,どんなに時間をかけてもうまくいかない週みたいなのが多々あります. ちゃんと時間をかけて研究していれば,うまくいかないことをまとめて,その原因をゼミで相談したりディスカッションをすることができます. しかし,一夜漬けスタイルだとまとめきれず,なんか知らんがうまくいかないレベルで話が終わってしまい,なんとも微妙な空気になりがちです.

また,一夜漬けスタイルを続けていると,ゼミの目的が相談したり議論することから,とりあえず今日のゼミを乗り切るみたいな気持ちに変わりがちです. とりあえず,定例ゼミでの指導教員からの怒られや,呆れられるのを回避して無事に乗り切るために,とりあえず論文読んでますアピールでお茶を濁すとか, 特に何も解説や説明すらない「調べています」で乗り切ろうとしたら危険信号. 付け焼き刃の進捗では研究も全然進まず,後々苦労します. 多分指導教員も一夜漬けスタイルを見透かしているはず.

ギリギリで通したり,直近だけを乗り切ろうとする考えからは早々に脱却し,平日に毎日研究をコツコツする習慣をつけましょう. もちろん毎日やれば上手くいくってわけでもないですが,時間をかけずに最小限度の労力で脱出できるほど卒業研究は容易ではないでしょう(少なくても弊研究室では無理だと思う). ゼミの直前や前日は,ミーティング用の資料作成や,内容の整理くらいに留めておくのが良さそうです.

4. 休日はちゃんと確保する

週7で研究をやるのは偉い!って思っていた時期が自分にもありました.

普通に週7でやり続けるのはしんどいですし,疲れが蓄積して集中力も徐々に低下します. 土日は休むなど,ちゃんと適度に休み入れて気分転換しましょう.

5.研究はまとまった時間でやる

サーベイや実装などは,調べたり考えるだけで長い時間がかかることが多いです. 短い時間で分けてやると,コンテキストスイッチが重いので,まとまった時間でやるのがオススメです.

6.やる気が出ない日の自分を受け入れる

どうしてもやる気が出ない日は皆もあると思います. そういう日は,無理にやっても進まないので,諦めてやる気が出ない自分を受け入れましょう. 事務処理を片付けるとか,関連する分野の技術系イベントの動画を見るぐらいでいいかもしれません.

また,やる気が出ないのが何日も続くとよろしくないので,なるべく早く気分転換すると良さそうです.

7.論文を読む習慣を作る

サーベイは,自分の分野・領域への理解と先行事例の把握を行なうために重要です. サーベイの量がそのまま研究の質に直結します.

〇〇の研究でいいじゃん,この研究のコントリビューションは何?って卒研発表や学会で事故らないためにも,自分の分野・領域は常にサーベイを行い,有用性や新規性を考え続けましょう. 週に1回くらいは時間を作ってしっかりとサーベイしても良いかもしれません.

8.一人だけでもくもく研究しようとしない

研究は一人でやるものってイメージがありそうですが,実際は指導教員や同期・先輩との日々のディスカッションや相談によって研究が進むことが多々あります. もし,一人でもくもくと潜水艦のようにやってしまうと,貴重なフィードバック得る機会を減らしてしまいます. また,週に1回のゼミだけで進捗を話したりすると,方向性が違くない?みたいな話になった時に,手戻りが大きくなってしまいます.

研究室によって異なると思いますが,定例ゼミ以外にもできるだけディスカッションできる時間を作ると良さそうです. 自分の場合は,定例ゼミ以外にも,デイリーミーティングとして,週に4回程度指導教員と研究の話をして,フィードバックサイクルを短くするようにしています. Slackのtimesなどを有効活用するのもいいでしょう. また,方向性や内容に不安を覚えたときは,すぐに指導教員とのミーティングなどを早やりましょう. 自分で考えるべき…?って悩むこともありますが,本当に自分で考えるべき事は,指導教員も自分で考えろって言ってくれます. 特に研究始めたての時期は,相談すべきか自分で考えるべきか判断が付かないことが多いので,指導教員や先輩を沢山頼っていきましょう.

9.ゴールをできるだけ明確にする

研究するぞ!!!!って気持ちになっても,具体的に何をすべきなのか分からないと困ってしまいます. そこで,やることのゴールをできるだけ明確にするのが良いでしょう.

自分の場合は,1年~半年単位の長期,数ヶ月単位の中期,1週間~日単位の短期でゴールを設定しています. 例えば,

  • 〇〇の学会に出す(長期目標)
    • 提案手法の実装ができている(中期)
      • 実装した〇〇の機能を用いて,〇〇ができる(短期)
    • 提案手法の有効性が評価できている(中期)
      • 〇〇の機能について,△△の観点で,☓☓による実験をして評価できている(短期)
    • 論文の執筆が完了している(中期)
      • 章構成が決定し,論文で主張したいことを説明できる構成になっている(短期)
      • 各章ごとのトピックセンテンスがアウトラインレベルで決まり,主張したいことだけで話の流れが成立している(短期)
      • トピックセンテンスを補強するサポーティングセンテンスがアウトラインレベルで決まり,根拠のある主張になっている(短期)
      • アウトラインを文章に落とし込み,論文としての体裁になっている(短期)
      • 文章を読み直し,誤字脱字を修正できている(短期)

こんな感じでブレイクダウンしていきます.また,短期目標については,全てに優先度をつけ,短期目標内で並べ替えを行います. 日頃の研究時間では,基本的にはこの短期目標を優先度順にこなしていきます. そのため,短期目標はTodoリストにできるような「やるだけ」ぐらいまで詳細化できていることを目指します. また,これらの中期目標や短期目標は最初に全部決めることはせず,必要になった段階で足していきます. もちろん,途中で変更や修正も許容します(最初から完璧なゴールができるはずがない). ちゃんとメンテナンスして腐らせないことが重要です.

10.最後まであきらめない

結局はこれよ.諦めたらそこで試合終了. 論文提出の最後の瞬間まで推敲を重ねるなど,ベストを尽くしましょう.


各位研究で事故らないように頑張っていきましょう.

明日の記事担当は ともか (@moko2356789) | Twitter です